Chocolateyを使ってWindows ストアアプリ開発環境を構築する
2013/09/22
もうすぐ,Windows 8.1 が発売される.Windows 8 がでて,8.1 Previewがでて, 8.1がでて..と,環境が変わる度に開発環境を構築するのが面倒くさいので,できるだけ簡単に開発環境を作る方法のメモしておこうと思う.
正直,Windows ストアアプリはVisual Studio Express 2012(8.1の場合は2013)をインストールすれば完成する.しかし,gitやterminal環境を使いたい場合はもう一手間加えることになる.
今回の環境
今回構築する環境は以下のとおり. それと,おまけを幾つか.
- Chocolatey (パッケージ管理ツール)
- ConEmu (ターミナルエミュレータ)
- git (バージョン管理システム)
- Visual Studio Express 2012 (Windows 8 ストアアプリ 開発環境)
- Visual Studio Express 2013 (Windows 8.1 ストアアプリ 開発環境)
Windowsで開発するにあたって不満な点
- 普段使いなれているようなCUIベースのshellがない(PowerShellやコマンドプロンプトは癖が強い)
- git環境
この2点.
まず,``普段使用しているCUIベースのshellがない''.MacやLinuxで使われれているようなbashやzsh,kshなどのCUIベースのshellがないということ.コマンドプロンプトやPowerShellは,コマンドなどを新たに勉強する必要がある.できることは増えるが,ちょっと腰が重い.
2つ目は,``git環境''がないということ.開発するにあたって必須だと思う.今回は,GUIベースのものもあるが,シンプルなコマンドのgitを入れる.
Chocolatey
いちいち,必要なアプリをダウンロードしてインストールするのは面倒臭いので,パッケージ管理ツールをつかう. apt-getやyum,macportsやbrewみたいなもので,コマンドプロンプトでコマンドを入力するとアプリケーションをインストールすることができる. 手動で各アプリケーションをインストールする場合はChocolateyは不要なので飛ばしても良い.
Chocolateyのインストール
以下のコマンドをコマンドプロンプトで実行するだけ. 公式のページはこちら http://chocolatey.org/.
@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "iex ((new-object net.webclient).DownloadString('https://chocolatey.org/install.ps1'))" && SET PATH=%PATH%;%systemdrive%\chocolatey\bin
chocolatey /?
と入力し,Helpが出てきたらインストール完了.
インストールしたい対象のアプリケーションが存在するかを確認するには,公式のページの右上の検索ボックスから検索できる.最新版のアプリケーションをインストールしたい場合は各アプリケーションの公式のページで落としてインストールすることをおすすめする.
gitのインストール
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力する. 現在(2013/09/22)は1.8.4が入る.
cinst git
cinstはchocolatey installのショートカットで,gitをインストールするという意味になる. Windowsはケースセンシティブではないので,大文字小文字を気にする必要はない(cinst Git でも可能).
パッケージ情報はこちら.
ConEmuのインストール
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力する.
cinst ConEmu
パッケージ情報はこちら.
ConEmuの設定
起動すると最初の設定画面が出てくる.
三番目の項目であるInstall keybord hooks
がチェックされていると,ConEmuがアクティブウィンドウのときWin+Qなどが使えなくなるので外しておく.
shellの設定
- Win+Alt+Pを押して設定画面を開く
- Startup>Tasksを選択
- ``+'' を押してtaskを追加する
- Task nameにわかりやすい名前をつける
- Commandsに対象のコマンドを入力する(File Pathで選ぶこともできる)
先ほど,インストールしたgitの中(?)にbashも入っているのでそれを選択する. 人によって違うかもしれないけど,
C:\Program Files (x86)\Git\bin\bash.exe
にインストールされていた.
また,Commandsにコマンドを入力するときは,--login
オプションと-i
オプションを指定する.
次に,Startup dirで自分のホームディレクトリを選択する.
最後に,Startupに今作成したtaskを指定する.これを行うことによってConEmuを起動したときにgitbashで起動するようになる.
右クリックで貼り付けを禁止する
TeraTermでもそうですが,右クリック貼り付けは危険派なので,Offにする.
- ConEmuの設定画面で,Keys&Macro>Mark&Pasteを選ぶ
- Mouse button actionsのRightを<None>に変更する
これで,右クリック貼り付けが無効になる.
ちなみに,コピーはShiftを押しながらマウスで選択``,貼り付けは
Ctrl+V```になる.
見た目を整える(整えたい人だけ)
まず,SourceCodeProのフォントをインストールする. (http://chocolatey.org/packages/SourceCodePro)
cinst SourceCodePro
ConEmuの設定を開き,Mainを選択. FontをSourceCodeProに変更する.さらに,Monospaceにチェックを入れ,ClearTypeを選択する.
次に,Features>Colorsを選択し,Schemesを選ぶ. 好みのもので構わないが,今回はSolarizedを選択.
VisualStudioExpress2012と2013をインストールする
(説明するまでもないかもしれないが...) Chocolateyでインストールは怪しいので,公式ページからDLしてインストールするほうがいいと思う.
Visual Studio Express 2012 for Windows 8
Visual Studioは少し不親切で種類がいっぱいある. まず,無料版のVisual Studio Expressのところまで行く. そして,Visual Studio Express 2012 for Windows 8 を選びインストールする.
Visual Studio Express 2013 Preview for Windows
2013はPreviewしかまだ出ていない(2013/9.22)ので,Previewをインストールする. Visual Studio Express 2013 Preview for Windows を選びインストールする. なぜ,for Windows だけRC版がないのかはよくわからない.
まとめ
以上が,git,ターミナル環境を含んだWindows ストアアプリ開発環境構築方法になる. なにか,間違いやもっと簡単な方法を知っている方は,教えていただければ幸いです.
おまけ
あると便利なツールたち.
- Launchy(コマンドラインランチャ.MacのQuickSilverやAlfreadみたいなもの.)
- Clover(エクスプローラをタブ化)
- かざぐるマウス(マウスジェスチャ)
- Rapid Environment Editor(環境変数周りの設定をしやすくする)